Refillサミット2024 in 北陸 開催報告

Refillサミット2024 in 北陸 開催報告

Refillサミット2024 in 北陸 開催報告

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年に一度、全国で活動する地域リフィルが一堂に会し議論するリフィルサミット。
今年度は、1日目の12月7日(土)は福井県福井市、2日目の12月8日(日)は石川県金沢市と、初めて2都市をめぐる開催となりました。全国18地域から集まったメンバーは、2日間にわたり、お互いの経験を共有し、戦略を議論し、交流を深めました。
そのハイライトをご報告します。

●福井フィールドトリップ(1日目午前)

福井駅近くに集合したメンバーを乗せたバスは、冬の日本海に向かいます。
ますは、その名も「水分神社」という給水スポットへ。こんこんと湧くきれいなお水は福井のおいしい水にも選ばれたそうです。マイボトルに汲んでごくごく。
次に、日本海の断崖の上に立つ製塩所「しの屋」へ。目の前の海から汲み上げた海水を廃材等の有効活用で窯炊きして時間をかけてつくる天然塩は、海中の湧水の恵みもありミネラルたっぷり。多くのメンバーができたての塩の結晶を見るのは初めてで、循環を実践する志野さんのお話に聞き入りました。
続いて、福井市街地の量り売りのお店、「gramme」へ。Refill福井のメンバーでもあるオーナーの横田さんからお店を立ち上げた経緯やコンセプトをお話いただき、マイ容器でのお買い物体験。地元の生産者から仕入れた食材等も多く、容器だけでなく、フードマイレージにも配慮していました。
そして、福井名物、ソースかつ丼やおろしそばの昼食を楽しみ、地域リフィル会議の会場へ移動しました。

●地域リフィル会議(1日目午後)

地域リフィル会議は、福井駅近くのワークスペースX-Standを会場に、オンライン参加も含め、約40名が参加しました。
事務局から全体進捗と、データ分析等を共有した後、すべての参加地域がリレー方式で活動報告。プレゼンには写真を多めに入れていただき、短い時間ながら、それぞれの地域の特色を生かして活動を展開している様子が伺えました。「こんなお店もリフィルスポットになるんだな」「イベントではこんなふうにアピールすればよいのだな」とお互いにヒントや刺激が得られたようです。
そして、その後、全体の課題や今後の展開について熱い議論が展開され、「リフィルサミット2024北陸宣言(案)」も策定しました。

●懇親会(1日目夜)

福井から金沢へ新幹線で移動し、金沢の居酒屋で、北陸の海の幸を堪能しながら交流を深めました。

●金沢フィールドトリップ(2日目午前)

金沢駅の鼓門の下に集合し、路線バスで兼六園へ。園内に入ると、見事な紅葉に見とれます。兼六園の見どころはたくさんありますが、リフィルのツアーらしく、水にまつわる見どころを中心に園内をめぐりました。
園内を流れる水は、江戸時代に水道として築かれた辰巳用水から取水された水です。霞が池の有名な灯篭の近くにある水道遺構は、金沢城へ通水する石の菅が残っています。そして、霞が池との高低差を利用し自然の力で水が吹き上がる日本最古の噴水の前で記念撮影。
券六店内の趣のある水飲み場で喉を潤し、石川門から金沢城跡へ。尾山神社を通って
城下町の雰囲気の残る街中を歩いて、近江町市場へ。山積みのカニや威勢の良い売り子の声にわくわくしながら昼食解散。

●公開セッション「ひろげよう!リフィル&リユースのまちづくり」(2日目午後)

サミットの最後は、一般の方も参加いただける公開セッションを、近江町市場の4階にある公共施設、近江町交流プラザ集会室で開催しました(オンライン併催)。

基調講演は、(一社)ゼロウェイスト・ジャパンの坂野晶さん。日本で初めてゼロウェイスト宣言をした徳島県上勝町での活動経験をベースに、それぞれの地域に適したごみの削減、リユース、リサイクルを提案する現在の活動、地域と協働で作り上げた様々な事例をお話いただきました。

基調報告として、水Do!ネットワークの瀬口から「Refill Japan最新報告」を共有した後、今年1月の能登半島地震の被災地支援でリユース食器を導入した地域環境デザイン研究所エコトーンの太田航平さんから、貴重な報告をいただき、地域リフィルを代表してRefillふくしまからも活動報告をいただきました。

後半は、「リフィルスポットでおもてなし&サステナブル」と題したディスカッション。
北陸新幹線の延伸で来街者が増えるのを契機に給水・リフィルスポットのあるまちづくりを展開中のRefill福井、Refillいしかわ・金沢、そして、給水スポットである福井の工房・トンカンテラスの黒田悠生さん、ゼロカーボン戦略のパートナーとしてリフィルを後押しする石川県生活環境部の寺田早織さんから、それぞれの取り組みをご紹介いただいた後、リフィルのまちづくりをさらに推進していくための協働のあり方等を話し合いました。

最後に「Refillサミット2024北陸宣言(案)」を発表し、拍手で採択いただきました。

初めての2都市にまたがる開催でしたが、近隣地域で協力して、一つのイベントを作り上げたという点でも、Refill Jaapnにとって、大きな前進だったと思います。

参加した各地域が今回のサミットで得た刺激や知見が、今後の活動に活かされるとともに、新たに関心を持った方々が参加し、さらにリフィルの輪が広がっていくことを期待したいと思います。

リフィルサミット2024 北陸宣言 final

公開セッションの告知(プログラム等)

※公開セッションの内容のハイライトは、(一財)地球・人間環境フォーラム発行の『グローバルネット』2025年3月号に掲載の予定です。

※このイベントは、(独)環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて開催しました。